従って、ラクツロースの内服は、高アンモニア血症を、改善する。
ラクツロースは、ヒト消化管粘膜では、単糖類に分解する酵素が存在しない。
内服した(経口投与された)ラクツロースの大部分は、消化吸収されないまま下部消化管に達する。
ラクツロースは、下部消化管内で、細菌により分解され、有機酸(乳酸、酢酸等)を生成し、消化管内pHを低下させる。その結果、Lactobacillusなど、pH値が酸性側で生育する菌は増殖し、増加するが、E. coli8大腸菌)、Bacteroides等は、減少する。
服用うつ病の歴史
ラクツロースは、下部消化管内で、ラクツロース自身が、浸透圧作用により緩下作用を示し、加えて、ラクツロースの分解により生成される有機酸が、腸管運動を亢進させる(便秘が改善する)。
腸管内pHが高いほど(アルカリ側だと)、腸管内アンモニアは、多く吸収される(アンモニアの腸管吸収率が、高い)。ラクツロースの分解にり生成される有機酸は、腸管内pHを低下させる(酸性側に傾ける)為、アンモニアの腸管内での産生と、アンモニアの腸管からの吸収が、抑制され、血中のアンモニア濃度が、低下する。
なお、ラクツロースは、1g当たり、約2kcalのエネルギーを有している(ラクツロースを、19.5〜39.0g/日、内服すると、39〜78kcalのエネルギー量 に相当する)。
汚れた腹水
モニラック原末は、1g中に、結晶性ラクツロースを、1000mg含有している。モニラック原末は、成人は、高アンモニア血症治療を目的とする場合には、通常、1日19.5〜39.0gを3回に分けて内服する。また、産婦人科術後の排ガス・排便を目的する場合には、1日19.5〜39.0gを朝夕2回に分けて内服する。また、小児便秘症改善を目的とする場合には、通常、0.33〜1.
にきびのための応急処置は何ですか30g/kg/日を、3回に分けて内服する。
ラクツロース・シラップ「日研」は、高アンモニア血症に伴う症候(精神神経障害、脳波異常、手指振戦)の改善を目的として、使用される。ラクツロース・シラップ「日研」の投与量は、通常、成人は、1日30〜60mlを、2〜3回に分けて、内服する。
内服したラクツロースは、分解(消化)や吸収されないで、下部消化管に到達し、ビフィズス菌、乳酸菌によって分解・利用され、有機酸(乳酸・酢酸)が、産生される。有機酸によって、腸管内pHが酸性化し、アンモニア産生菌の発育が抑制され、腸管内アンモニアの吸収が抑制され、血中のアンモニア濃度が低下する。
ラクツロース(ラクチュロース)を、アトピー性皮膚炎の患児に内服させると、健康児よりも多く、尿から排泄される(腸から吸収される)。
アトピー性皮膚炎では、腸の粘膜から、非特異的に、抗原(アレルゲン)などが、吸収され易くなっていると考えられている。
おまけ
アンモニア(NH3)は、水に溶け易い:20℃の水1mlに、アンモニア442mlが溶ける。水溶液は、弱い塩基性を示す。
NH3+H2O ⇔ NH4++OH-
アンモニウムイオン(NH4+)の四つのN-H結合の内、H+が結合したN-H結合では、二つの電子(共有電子対の電子)は、窒素原子から提供され、共有結合をしている(配位結合をしている)。
アンモニア(NH3)は、共有電子対の電子を使って、Cu2+と、配位結合をし、錯イオンをつくる:[Cu(NH3)4}2+。Zn2+やAl3+も、錯イオンをつくる:[Zn(NH3)4}2+。
ヨーグルト260g/日を、65歳以上の男女に、2週間、摂取させると、便中のアンモニアは、摂取前378mg/dlだったのが、摂取後171mg/dlに減少し、また、便中のスカトールは、摂取前54.2mg/dlだったのが、摂取後20.9mg/dlに減少した。
ヨーグルトを摂取すると、便のにおいの原因物質(アンモニア、スカトールなど)が減少する。
注1:グルタミンは、グルタミナーゼにより分解され、グルタミン酸と、アンモニアが、生成される。生成されたグルタミン酸は、GDHにより分解され、さらに、アンモニアが生成(産生)される。
食事(食餌)後に、食物の窒素は、腸(gut)から、アンモニアとして、血中に放出(吸収)される。そのアンモニアの内、かなりの量は、GDHにより、グルタ� �ン酸が脱アミノ化され、生成されるアンモニアと言われる。
注2: 小腸では、グルタミンが、グルタミナーゼにより分解され、グルタミン酸と、アンモニアが産生(生成)される。グルタミンを経口投与した場合、小腸粘膜グルタミナーゼで分解された後、グルタミン酸は、アラニンに変換されるという。
グルタミン酸や、グルタミン酸を生成するグルタミンは、代謝燃料(metabolicfuels)となる。
グルタミナーゼとグルタミン合成酵素により、グルタミンとグルタミン酸は、相互に変換され得る。
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